敏行、
お母さんつくづく思ったんだけど、敏行は本当に仲間や先生方に恵まれたよね。
近所の人にも、
「いっつも車庫の前に自転車が何台も止まっているけどおにいちゃんの仲間?」
「そうだよ」
「仲間が一杯いていいねぇ〜」
って。言われていたんだよ。
「車が通れないから車庫の中に入れなさい。」っていつも言っていたよね。
敏行は、うるさがってお母さんの話を聞こうともしなかったけど……
お母さんは、仲間を連れてくることが嬉しかったんだよ。
敏行は一杯仲間がいて幸せ者だとお父さんと話していたんだよ。
中学の先生が、お通夜の時に言っていたけど、
仲間がこれだけ寄ってきてくれるのは、
敏行に人望があるからなんだと言っていたよね。
お母さんもそう思うよ。
主治医の石黒先生がわざわざ来てくれてお墓参りもしてくれる先生そういないよ。
一周忌にも出席するつもりでいたのが、どうしても自分じゃないとダメな出張が入ってお詫びにメッセージくれたでしょ。
敏行ちゃんと聞いてた?
メッセージの最後に、誰かが困ったときには、そっと力を貸して欲しい。
先生が困ったときにもついででいいので見捨てないで下さい。
って言ってたよね。
先生は、敏行の頑張りをすごくほめていたよ。
敏行のために泣いてくれたんだよ。
家に帰るために先生は敏行の着替えを手伝ってくれたんだよ。
敏行が息引き取ってから病院出るまでずっと側に居てくれたんだよ。
先生は敏行が亡くなってからも、ずっと敏行のことを考えていてくれたんだよ。
ありがたいね。こんな先生いないんだからね。
だから見捨てないであげてね。
敏行の仲間が、敏行には人を一生懸命にさせる力があるし、楽しませる力もあるって言っていたけど、本当にそうだったんだね。
敏行がいなくなってから気付いたよ……
もっと早くに気付いていればよかった……
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